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ベトナム統一鉄道の旅 4.古都フエ


■ホテル
 事前には予約しなかったが、いちおう宿は決めてある。フエ駅からタクシーで日本人宿のビンジュオン(ガイドブックによってはビンズオンと表記)に向かった。というのも、ここは温泉ツアーを開催しているとガイドブックに出ていたからだ。本館に行くと満室で、すぐ近くのビンジュオンVなら最上階が1部屋空いていると聞いた。部屋を見せてもらうと、なんと、L字型になった部屋にはデスクとパソコン、プリンターがあってインターネット使い放題。ベッドはダブルベッドが1つあるだけだけど、バスタブもあるし全体にきれい。眺めもいい。テレビはNHKのBSも見られる。これで1泊20ドル(朝食別)。普通ならよほどのことがない限りツインベッドの部屋しか泊まらないけど、ここはパソコンが気に入って2泊することを即決した。ただし、パソコンがあるのはこの部屋だけだったかな。とにかく全室にあるわけじゃない。

カーテンの外は寝椅子を置いたバルコニー 客室内のパソコンコーナー 宿はこの小道の中ほど、右側にある

 行った時期(3月初め)がまずかったのか、フエ滞在中は冷たい雨が降ることが多く、ごくたまにジト〜とした日差しはあっても、すっきり晴れ上がることはない。最初の日の夜も、風呂から出たら寒くて湯冷めしてしまった。部屋のエアコンをいじってみるが、どうみても暖房モードはない。フロントまで降りていって「冷房しか入らない」ことを確認したうえ、毛布をもう1枚貸してもらう。フロントにいる人たちだってセーターや革ジャン姿だ。どうもべトナムのイメージが狂うなぁ。

■ボートツアー
 
フエはベトナム最後の王朝の都があった町で、日本で言えば京都・奈良に相当する。しっとりとした町で、天気にめぐまれなかったけど私は結構好きなところだ。郊外に散在する遺跡を訪ねるのはツアーに参加するのが簡単。私たちは宿でボートツアーを申し込んだ。昼食つきで2万5000ドン(180円弱)と超格安。ケタが違っているのかと目をこすった。ガイドは付かず、各遺跡の入場料も各自が別途支払う。一部の遺跡は船着場から遠いのでバイクタクシーに乗る必要がある。宿のフロントに8時集合。案内人につれられて船着場に行くと、あちこちからツアー参加者が集まってきた。私たち2人を含め全部で14人。カナダ、フランス、スペイン、ベルギー、ブラジルなどからの旅行者でアジア人は私たちだけだ。

ツアーのボートに乗り込む参加者 砂利運搬船がたくさんいた ティエンムー寺入口から見下ろすフォン川

 船が出発するとメニューが配られた。オプション料理が欲しい人は事前に注文しろという。牛肉の焼ソバを2人で1つ頼む。ほかの客はほとんど注文しない。次いで真ん中にゴザが敷かれてアオザイやガイドブック、絵葉書などのみやげ物が並べられた。けっこう売れている。これならツアー料金が安くても十分ペイしそうだ。

 最初に行ったのはティエンムー寺というところ。入場料は無料で、川岸からすぐのところにある。階段を上らなくてはいけないけど、上から見下ろす泥の川はなかなか風情がある。ほかのボートツアーもだいたい同じルートで回るらしく、船着場はちょっとしたラッシュ状態。自分の船が分からなくなりそう。

ホンチェン殿 昼ごはんを食べるツアー参加者 ご飯とおかず2種。手前の麺は追加注文

 次いで行ったのはホンチェン殿。ここも川べりにある。ここは入場料が2万2000ドンとほかのところに比べて半額以下。私たちは最初にボートを降りて入口に着いてしまったので躊躇なく入場料を支払ってしまったが、ほかの人たちは手堅い。私たち以外に入ったのはは3、4人だけ。みんな外で待っている。確かに見るところもなく、川の展望もきかず、入ってもしょうがなかった。よほど史跡に興味のある人なら楽しいかもしれないが、個人的にはパスをお勧めする。

 トゥドック帝廟とカイディン帝廟(入場料はそれぞれ5万5000ドン)は船着場から遠いのでバイクタクシーを利用しなくてはならない。といっても一律料金で決まっているので料金交渉をする必要はない。遺跡の出入り口で待っていてもらい、同じバイクに送ってもらって最後にお金を払う。トゥドックは往復2万ドンだった。バイクを降りるところに缶コーラなどを持った人たちがいて、バイタクの運ちゃんにチップとして買ってあげろとつきまとってくるので、ここはビシッと一発「No!」で決めたい。

 トゥドックから船に戻ると、船内の椅子が外に出されてゴザが敷かれ、昼食の用意ができていた。向かい合わせの人と2人でシェアしてご飯と野菜料理を箸で食べる。飲み物は別料金。私たちの前にいたのはトロントから来たというカナダ人のカップル。男性は日本で英語を教えていたこともあるといい、片言の日本語を話した。オプションの焼きそばは量がかなりあったので、彼らにも食べてもらう。

カイディン帝廟入口 カイディン帝廟は繊細な彫刻が美しい ツアーとは別に行った旧王宮

 食べ終わったころ、カイディン帝廟近くの船着場に到着。先に書いた通り、ここもバイタクが必要。私たちは夕方の列車に乗るため、大事をとってツアーを途中で抜けて自力でフエに帰るつもり。バイタクの運ちゃんに「遺跡見学が終わったら、船に戻らずフエに行きたい」と相談して料金交渉。5万ドンで粘ったけどダメで、6万ドンでOKした。最後のミンマン帝廟をパスして帰ってきたことになる。このミンマン帝廟は一番の見所とされているので、ちょっと残念。

 宿に戻ってシャワーを浴びたり(チェックアウト後でもシャワーを使わせてくれ、タオルまで貸してくれた)、買い物をしたりして駅に向かった。列車ギリギリにフエに戻ればいいという人は、最後までツアーに参加しても間に合うかも。川向こうの旧市街にある旧王宮は歩いて行き、バイタクで帰ってきた(1万ドン)。入場料は5万5000ドンとほかの遺跡と同額。

■食事
 
フエは王宮料理が有名だが、B級グルメの私は高級料理には興味はない。で、地元の人でにぎわう「ブンボーフエ」に行った。店の名前も料理もブンボーフエ。平たいフォーと違い、そうめんよりもやや太めの丸い麺が辛いスープに入っている。麺はにゅうめんに似ているかな。モヤシなどの野菜は自分で好きなように入れて食べる。スパイシーなスープとつるつる麺の組み合わせが絶妙で、ペロペロっとたいらげる。1万ドン。日本語のガイドブックにこの店が載っていたので写真を見せてあげたら、写真に出ていたデザートを持ってきた。商売がうまい。笹の葉につつんだ丸い羊羹みたいなもので1000ドン。

ブンボーフエ 店の名前もブンボーフエ 牛肉・トマト・パイナップルの料理

 冷たい雨がしとしと降り続いているため、夜はなるべく歩きたくないと宿のすぐ前の店に入った。牛肉とトマトとパイナップルをオイスターソースで味付けした料理(1万5000ドン)を頼んだら酸味と甘みが絶妙な組み合わせですごくおいしい。ガツガツ食べていたら、隣のテーブルにやってきたイギリス人カップルの女性も「あれと同じのを」と言ってオーダーしていた。店内に流れる音楽が80年代のロックから突然ビートルズナンバーに変わると、ほとんどすべてのテーブルで大合唱になった。ヘイジュードで店内は最高潮に達したが、なぜか隣のイギリス人たちはモクモクと食べていた。→5.ハノイに進む


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