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| ベトナム統一鉄道の旅 3.ハイヴァン峠 | ||||||||||||||||||||||||
6時半ごろにミネラルウォーターのペットボトルとパンが配られた。さすがに朝から水を飲む気になれず、夫が一番前にある食堂車までお茶を買いに行った。ただし、これが本当に食堂車かどうか分からないという。テーブルと椅子はあるものの、座っているのは鉄道の従業員ばかりだそう。 きょうも進行方向に向かって座り、さらに海が見える右側の座席だったのでご機嫌。7時半ごろからいったん眺めがよくなった。切り立った崖にへばりつくように列車が進んでいく。崖の下は海だ。ただし、空はどんよりと曇っている。海も灰色だ。熱帯の海という感じはしない。30分ほどで海から離れるとまた単調な景色。時折、はるかかなたの丘の上に何やら遺跡のようなものが見えるが、車内の乗客はだれも関心を示さない。
車窓から見る人々の服装がだんだん変わってきた。ニャチャンを出るころは半そでの真夏の服装の人ばかりだったのに、いつの間にか長袖シャツ姿やパーカー、ジャージなどを羽織っている人が増えている。昼のタダご飯も早めに配られた。前回の冬瓜は高菜みたいな葉物野菜に変わり、魚カレーは肉入りスープに変わった。でも、ショボイことに変わりはない。きょうはオプションでさつま揚げみたいなのも頼む。1万ドンもした。ご飯がタダの割には高いような気がする。みていると、けっこう買っている人が多い。さつま揚げは全部食べ、他のものは少し残した。 ■ダナン−フエ間(峠越え)
ここで諦めちゃいけない。撮影場所ハンティングを始めた夫が「前の車両なら窓が開くところがある」と言って帰ってきた。ハイヴァン峠を越えるときだけ、前の車両に移ることにした。数両前の車両はガラガラでほとんど客が乗っていないのだ。その一番後ろの窓を開けることができた。しかし、見回りの車掌がやってきて「ノー」と窓を閉められてしまう。あちゃ〜。そこで私はデッキ部分に移動した。ここの窓は小さいけど、どうにか開けることができる。 ダナンを出発すると間もなく線路は斜面を上り始め、右側に海が見え始めた。すぐにトンネルに入ってしまったので、ハイヴァン峠がどんなところか知らない私は「えっ、これで終わりなの?」とガッカリしかかったのだが、峠越えはそんな生易しいものではなかった。列車はどんどんと上っていき、海ははるか下に見えるようになった。それでもまだ、列車はくねくね曲がりながらジャングルの中をえっちらおっちら登っていく。
雨が激しくなってきて、気温も下がってきた。あたりは人家などなく、緑のジャングルが広がっているだけ。たまに線路脇に小屋があり、係官が立って列車の通過を見守っている。ハイヴァンなんとかと書かれた駅も2つ通過した。山のてっぺんが近くなって灰色の空が大きく見えてきたら最高地点。どんどんと下りて再び海際まで降りてきた。この間、30分余りだろうか。予想していたよりもダイナミックな峠越えに満足した。バスでの峠越えとどちらが評判いいのか知らないが、鉄道の旅が好きな人なら、この峠越えにはかなり満足できるのではないかと思う。 列車は午後5時前、雨の降る古都フエに到着した。ハイヴァン峠の北と南はまるで別の国のよう。とにかく寒くてジメジメしている。30年前まで南北ベトナムに分かれていたのもなるほど、と納得してしまうほどだった。Tシャツの上にスウェットを着て、さらにパーカーを重ねているのだが、それでも寒い。これ以上気温が下がったら着る物がないよ。→4.古都フエに進む |
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