らくだジャーナルTOPNZ旅行目次>3.森林火災で足止め
ニュージーランド旅行 3.森林火災で足止め
インターシティバスでフランツジョセフ氷河へ行く途中に昼食休憩

 クイーンズタウンからはバスでフランツジョセフ氷河に向かった。朝8時15分発のバスはエンジントラブルで1時間遅れ。路線バスだというのに、運転手が途中の観光スポットをアナウンスしてくれるほか、風光明媚なところでは写真を撮るための休憩もある。なんだかツアーバスに乗っているみたい。いくつかの湖の脇を通り、右側の遠くにニュージーランド最高峰のマウント・クックを望み、原生林の中を通りぬけて西海岸に出る。前日のミルフォードサウンドへの道もあたりの景色に目を見張ったけど、きょうの景色も素晴らしい。

途中のドライブインみたいなところで昼ごはんの休憩がある

 午後3時すぎにフランツジョセフに到着。インターネットで予約しておいたモーテルにチェックインし、氷河見物に出かける。町から氷河まで5キロほど離れているので、送迎サービスを利用した。駐車場まで送ってもらい、1時間半後に迎えにきてもらうことにする。1人往復で10ドル。駐車場から氷河が見える地点までは徒歩で15分ぐらい。氷河は、はるかかなたといった感じだ。もっと時間があれば氷河の際まで行けたかもしれないけど、往復の時間を考えて、かなり手前で引き返すことにした。

フランツジョセフ氷河
最近の温暖化で氷河はずいぶん後退しているらしい
フランツジョセフのメイン通り

 翌日は朝のバスでグレイマウスへ向かう。きのうのバスで一緒だった人も何人かいる。きっとみんな同じことを考えて旅のスケジュールを組んでいるに違いない。このバスでグレイマウスにつけば、東海岸のクライストチャーチに向かう列車トランツアルパインへの乗り換えにちょうど間に合うのだ。このトランツアルパインは、宣伝パンフレットによれば、「世界で5本の指に入る鉄道の旅」とか。景色の良さが売り物で、ニュージーランドの鉄道の中では たぶん一番有名な路線だ。

フランツジョセフのバス停でグレイマウス行きのバスを待つ

 グレイマウスも田舎の町だ。だいたい、オークランドで入国してすぐインバーカーギルまで飛んでしまったので、ニュージーランドに来てから信号をみていない。ひょっとするとクイーンズタウンで見たような気もするんだけど、少なくとも私たちの乗ったバスは信号につかまるようなことはなかった。バスは駅前に到着。反対側からのバスもつき、駅周辺はにわかに人であふれかえる。ここでも同じように座席の指定を受ける。サザナーに比べたらえらい混雑ぶりだ。

 オークランド空港の観光案内所で鉄道の切符を買ったとき、サザナーは翌日乗車にもかかわらず割引料金枠があって3割引で切符を買えたのに、トランツアルパインは5日後の乗車にもかかわらず割引料金枠は既に一杯。正規料金87ドルをユースホステル会員割引(2割引)で購入したぐらいだから、やっぱり人気があるんだろう。

 客車は6両もある。展望車をはさんで前後に3両ずつ。座席は車両の前部と後部だけ向かい合わせの席になっていて、なぜか私たちの席は向かい合わせの部分だった。向かいになったのは、アメリカのマサチューセッツ州から来たという母娘づれ。お兄さんがニュージーランドで働いているという。ボストンに出て、ロサンゼルスで乗り換えての長旅はたっぷり24時間以上かかったという。想像しただけで大変そう。

観光列車トランツアルパイン
クライストチャーチ方面から来たトランツアルパインがグレイマウスに到着

 このお母さん、ニュージーランドの英語(Kiwi English)は苦手らしい。車内アナウンスのあと「今ちょっとよく聞き取れなかったんだけど、何て言ったのかしら?」と尋ねてきた。「私も聞き取れませんでした」と愛想よく答えながら、心の中では『あんた英語が母国語でしょ! あたしに聞くなよ!』と毒づく。本当にニュージーランドの英語っていうのはからきし分からない。1対1で話していればまだいいけど、車内アナウンスみたいなのだと、お手上げ状態だ。でも、アメリカ人ですら聞き取りに苦労しているのを知り、ちょっとホッとさせてもらった。

 トランツアルパインは30分遅れの午後3時ごろ音もなく発車。空は段々と曇ってくる。せっかく展望を楽しむ列車なのにちょっと心配だ。といっても、これまでの天気が良すぎたともいえるから、多少の曇天はしょうがない。すぐに展望車に行って外の景色を楽しむ。有名な列車にしてはそれほどたいした景色じゃないと思ったら、景色が良くなるのは定時なら4時半到着のアーサーズパスを越えてからだという。長いトンネルを抜けてアーサーズパスについたのは午後5時ごろだった。

待ちぼうけを食わされたアーサーズパスの駅

 ところがアーサーズパスに停まった列車は一向に発車する気配がない。そういえば到着前に何かアナウンスがあったけど聞いていなかった(聞いていたところで、ほとんど聞き取れないのだが)。回りの乗客たちも普通にしている。ニュージーランドののんびりペースにすっかり慣れていた私たちは、別に変だとも思わなかった。この駅から乗り込む乗客には、座席番号を記した切符が配られていたから、しばらくしたら発車するもんだとばかり思い込んでいた。そのうちアナウンスがあり、バスを待っていることが判明。私はすっかりどこかからの路線バスが遅れていて、この列車に乗る人を待っているのだろうと解釈した。

アーサーズパスの駅で延々と待つ  

 しかし、列車は全く動く気配はない。車内の売店は商品が売り切れてシャッターを降ろしてしまった。ちょっと不安になってきた。夫は列車を写真を撮るためにホームに降りたところ、日本人の旅行者2人と会って話したという。そのうちの1人はこの列車の予約がなかなかとれず、ようやく取れたのがアーサーズパスからクライストチャーチ間だったそうで、わざわざクライストチャーチまでバスで来て、この列車でクライストチャーチに戻るところだという。ご苦労様な話だ。

 いい加減待ちくたびれた6時30分すぎ(もう1時間半も待っている)、車掌が私たちの車両に来た。降りなくてはいけないらしい。ほかの人について行ったら、赤いバスが5、6台停まっていた。私たちが待っていたのはこのバスだった。乗り換え客じゃなくて、自分たちがバスに乗らなくてはいけないのだ。なんだかさっぱり分からない。しかもこのバスときたら普通の市バスと同じ車両で、シートは硬くて乗り心地は悪い。これからいい景色の部分だっていうのに。
 バス隊は6時45分すぎにアーサーズパスを出発。道路はそれほど線路から離れていないと思うんだけど、景色は期待したほどでもない。ミルフォードサウンドへの1日ツアーや、クイーンズタウンからフランツジョセフまでのバスの車窓風景のほうが景色を楽しめたと思う。気分的にまいっているせいだろうか。

クライストチャーチでパンティングを楽しむカップル
クライストチャーチでパンティングを楽しむカップル

 クライストチャーチの駅に到着したのは予定よりも2時間半遅い午後9時ごろ。シャトルバスでYMCAについたら9時半。チェックインする時、ほかの旅行者から「森林火災が原因」と聞いて初めて、すべての謎が解けた。その後買った新聞によると、1999年から2000年にかけての夏期の降水量は例年の半分以下とかで、あちこちで森林火災が起きているらしい。お腹はすいているけど、YMCAのレストランやカフェは当然ながら閉まっていて、しかたなく町の中心部にあるバーガーキングまで行ったら、列車で一緒だった米テキサス州からの老夫婦と会い、「いや〜災難だったねぇ」とお互いを慰めあった。
 その後もクライストチャーチでは、町の中心部でカモメのウンチに背中を直撃されたり、YMCAの部屋の暖房機に干した洗濯物を少し焦がしちゃったりと、さらに災難が続いた。→4悪徳ホテルの眠れぬ夜へ続く


らくだジャーナルTOPNZ旅行目次>3.森林火災で足止め