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シエンフエゴスは、フランス人の入植者が開拓した町のせいか、今でも色白の人がほかの町に比べて多い。中心部はパステルカラーの建物が多く、サンチャゴで会った元船員さんが美しいと言ったのも十分うなずける。町の中心部を観光するのは数時間もかからないぐらい小さな町だ。町を歩いて一通り見学したあと、船に乗って近郊の城砦を見に行くことにした。
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| シエンフエゴスの街並みはパステルカラーでまぶしい。 |
船といっても観光客用ではなくて、いつ沈んでもおかしくないサビだらけのジモティ用ボロ船だ。午前11時の船に乗り、途中何ヶ所か止まりながら45分で城砦に着いた。帰りの船は3時に出るという。城砦は小さく、時間を持て余してしまった。城砦の上からぼんやりと海を眺めていると、来たときに利用したのと同じ船がやってきた。まだ2時前なので、まさかその船が自分の乗る船だということも知らず、悠長に写真を撮っていたが、ふと気がつくと、来るときに同じ船に乗っていた旅行者たちがいない。いやな予感がした。
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| このボロ船で左奥に小さく見える城砦に行った。 |
予感は的中。船着場に行ってみたら、やっぱり船は定刻より1時間前に出た後で、「あれ、乗り遅れた外人がいるよ」と笑いものにされてしまった。夕方にもう一回船があるらしいが「来るかもしれないし、来ないかもしれない」となんとも心もとない。「もし、船がなかったらどうやってシエンフエゴスの町まで帰れる?」と聞いたら、200mほど離れた湾の対岸に渡れば、そこからバスがあるという。仕方ない。渡し舟を捕まえて対岸に渡った。
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対岸にあるちょっと寂れたホテルに入り町への戻り方を尋ねた。タクシーにするかグワグワ(バス)にするか聞かれたので、ついグアグアと言ってしまう。だってタクシーだと全然冒険にならないもの。単にケチとも言えるけど。裏手の木の下で待つように指示されて行ってみると、確かにしゃがみ込んでいる人たちが数人いる。そこに行って私も混ぜてもらった。
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| 右側にみえる人たちとバスを待つ。 |
東洋人の旅行者が変なところに現れたもんで、みんな興味津々。城砦観光に来て船に乗り遅れたことを苦労して説明したら、みんな納得してくれた。バスを2時間以上待っている間、私は不満をぶつけた。「ハバナの市内交通はペソを受け取るのに、シエンフエゴスではなんでドル払いを要求されるの?」ほとんどの人は驚いて「いくら外人だからって、20倍も払わされるなんて、それゃ、ないよ」と同情してくれた。そのうち1人がいいアイデアを思いついた。「いいかい、俺が2人分のバス代を払ってやるから、バスに乗るときは俺の連れみたいな振りして下を向いてな」だって。ラッキー。
バスが来たのは午後4時半。なんと2階建てバスだった。キューバに2階建てバスがあるなんて知らなかった。こんなレア物に乗れるのもトラブルのおかげ。みんなが助けてくれたせいで車掌から外国人料金を請求されることもなく、バスは40分ほどで民宿のすぐ近くに着いた。 「終わり良ければすべてよし」と思ったけれど、後になってみれば、この日のトラブルは最終日の「大危機」の前兆だったのかもしれない。→6に進む
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| 見た瞬間、思わず「出た〜」と口走ってしまった2階建てバス。 |
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