オーストリアの首都ウィーンの南26キロに位置するバーデンは、スイスのバーデン、ドイツのバーデン・バーデンと並ぶ「欧州3大バーデン」の一角。混同しないためか、バーデン・バイ・ウィーン(ウィーンのそばのバーデン)というのが正式名称。現地では単にバーデンと言っている。ウィーン近郊でアクセスも簡単(詳しくは資料編を参照)。観光案内所でもらった資料によると、古代ローマ時代から利用され、19世紀にはハプスブルク家の夏の避暑地にもなっていた古湯。ベートーベンは1821年から23年にかけて数回滞在。ここで「歓喜の歌」を完成させたという。泉質は硫黄泉で14の泉源があり、湧出量は1日400万リットル。ということは毎分2800リットル。源泉の温度は30〜36度。
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99年に新装オープンしたという新しい温泉施設Römertherme baden(レーマーテルメ・バーデン)を訪ねた。まず入り口で利用時間を事前に申告して利用料を払う。最低単位の2時間にする。平日なので8.20ユーロ(約1000円)。10ユーロ札を出したら2ユーロのコインをくれて「これをロッカーに使いなさい」と言われた。どうやら20セントおまけしてくれたようだ。直径3cmぐらいのプラスチック製?円盤がついたおもちゃの腕時計のようなものを渡される。入り口でセンサーにその「腕時計」をかざして入場時間を記憶させる。案内表示に従って更衣室に。
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| レーマーテルメの外観。天井もガラス張りなので晴れていれば明るいはず |
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げっっ! な、なんと、まっ裸になって水着に着替えている若いカップルがまず目に入ってきた。更衣室が男女一緒とは!! うろたえまくって、最初からくじけそうになる。1分ぐらいして落ち着きを取り戻したら、並んだロッカーの所々に個室の更衣室があることが分かった。一安心。面倒くさい人、見られてもいい人?は個室を利用しないで着替えているみたい。日本にはない仕組みだ。小さな子供を連れた家族連れなんかには、このオーストリア式の方が便利だと思う。個室で水着に着替える。ここでビーチサンダルを宿に忘れてきてしまったのに気付く。周りの人はみんはサンダル持参。仕方ないから裸足で歩く。ロッカーの2ユーロコインは利用後戻ってくる仕組みだった。
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| 右側手前の文字の書いてあるドアが個室状の更衣室。ロッカーは好きなところを使う |
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更衣室から温泉に向かう。温泉といっても、大きな温泉プール、いや温水プールだ。手前は子供用に数十センチの深さ。プールは真ん中で2つに分かれていて水温と深さが違う。奥の部分はSportbeckenと書いてあるので、真剣に泳いでいる人が多かった。パンフレットによると、水温も最高26度となっている。手前はVitalbeckenという表示で最高30度。でも、もっと暖かく感じた。このVitalbeckenは5分ごとに底からボコボコと泡が出て来たり、パイプから出て来たり、と趣向をこらしている。
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残念ながら濾過しているらしく、無色無臭でとても硫黄泉とは感じられない。プールの周りにはずらりとビーチチェアが並び、バスローブ姿の人がくつろいでいる。どうもこちらの人は温泉にバスローブ持参で来るようだ。私は泊まっているペンションからバスタオルを借りてきていた。バスタオル派もちらほらいた。お菓子やミネラルウォーターを持ち込んでいる人も多い。私はカメラをスーパーのレジ袋に入れ、さらにナイロンの袋に入れて持ち込んだ。客は家族連れと高齢者が多く、デートらしい若者はちらほら程度。地元の利用者がほとんどとみた。アジア系は私だけで、写真を撮っていたら結構目立っていたみたい。平日の昼ごろなので、けっこうすいていた。
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| 黄色い模様のある部分が子供用のスペース |
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露天風呂は2つ。屋内に冷たい外気を中に入らせないためか、ビニール製の暖簾が出入り口にかかっている。1つはKleeblattbeckenといい水温30〜32度、もう1つはSchwefelbeckenといって34〜36度の表示。このSchwefelbeckenが一番水温が高く、そういう意味で日本の温泉に一番近いと思う。ただし、「ここでの入浴は最高で20分間まで」との表示あり。残念。でも、20分以上入っていた人もけっこういたと思う。あとで調べたらSchwelfelは「硫黄」を意味していた。やっぱりこれが一番濃い温泉らしい。
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| Schwefelbeckenでなごみモード。年配者が目立ったような… |
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すぐ近くには源泉と思われる湯が顔の形をした彫刻の口の部分からちょろちょろ吹き出していた。この湯はかなり硫黄臭あり。このためか、露天風呂ゾーンは全体的に少し硫黄臭が漂っていた。この源泉?には「飲むな」という表示(らしい)があり、手ですくって匂いを嗅ぐにとどめる。匂いは確かに温泉だけど、みんなで水着姿で入っているっていうのは、どうもちょっとホンモノの温泉とは違うんじゃないか、とか思ってしまう。
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| 硫黄臭があり源泉と思われる。内側に湯の花がこびりついていた。浅そうだったけど、これにつかりたかった |
そのほかフィンランドサウナ、温度が低めのバイオサウナ、ジャグジー、付属のウェルネスセンターもあり。付属のレストランは、水着のままでも食事できるように受付の中と外の両方にテーブルがあった。私は着替えを済ませて受付を出てからスープ、魚のフライ、ポテトサラダのランチセット(5.7ユーロ)を食べた。おいしかったけど魚のフライが平べったくて大きいのに2枚も出てきたのでポテトサラダを少し残してしまった。受付を出るときは、入場の時に渡されたおもちゃの時計をセンサーにかざし、2時間以内に出たことを確認してもらい、追加料金は取られなかった。
(資料編)注:2002年9月下旬現在の情報です。
交通
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ウィーン中心のKarlsplatzにあるオペラ座の斜め前からバーデン行きの路面電車が出ている。終点のBaden Josefs Platz下車。片道4.5ユーロで約1時間。ウィーン市内の公共交通機関に有効な切符(1週間券のヴォッヘンカルテ)を持っていたのだが、ウィーンの観光案内所で「この切符は使えない」と言われたので、往路は全線の切符を購入。復路はバーデンの切符売り場で「ウィーン市内で使える切符は持っている」と見せたら、ウィーン市内の最初の駅Voesendorf
Siebenhirten(最初のoeはoのウムラウト)まで買えばいいとのことで3ユーロで済んだ。ひょっとしたらウィーンの切符売り場でも事情を話せば3ユーロで済んだかもしれない。あるいは車内の自動販売機で買えばいいんだろうけど、自動販売機の仕組みが私には理解できなかった。この路面電車、途中から道路ではなくて普通の線路を走るので半分路面電車、半分電車みたいな感じ。
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| ウィーン市中心部の始発駅Operでバーデン行きの路面電車に乗る人たち |
ウィーン南駅から国鉄Sバーンでも行くことができる(45分、急行なら20分だそう)けど、バーデンでは中心地よりもかなり手前に駅があるので、路面電車が便利だと思う。
情報 路面電車の駅から歩いて2、3分のBrusatti Platzに観光案内所がある。日本語の地図をくれる。レーマーテルメ・バーデンは観光案内所の裏。観光案内所の営業時間は5月〜10月の月〜土曜が9時から18時。日曜祭日は9時から12時。11月から4月の冬期は月〜金曜が9時から17時。土日祭日はお休み。ウェブサイトはhttp://www.baden.at(英語サイトもあり)。
温泉 レーマーテルメ・バーデンは毎日午前10時から午後10時まで営業。最終入場は午後9時半。ウェブサイトはhttp://www.roemertherme.at(ドイツ語・英語)下記の料金は私が行った2002年のもので、現在は少し値上がりしている。
| 入場料(大人) |
月曜から金曜 |
土日祝日 |
| 2時間まで |
8.20ユーロ |
9.70ユーロ |
| 1時間延長するごとに |
1.50ユーロ |
1.50ユーロ |
| 1日券 |
18.60ユーロ |
20.10ユーロ |
| 午後8時以降は割引 |
4.10ユーロ |
4.80ユーロ |
大人以外の料金は掲載しないが、高齢者、身体障害者、学生、子供などはもっと安くなる。15歳までの子供と大人を対象にしたファミリーチケットもある。 ウェルネスセンターやマッサージは別料金。温泉の成分分析表がウェブサイトなどに見当たらないのは残念。
バーデンにはレーマーテルメのほか、野外温泉プールのシュトラントバードがある。資料によるとここには人工砂浜があり、水面積は合計5000平方メートル。
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