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●新宿十二社天然温泉(廃業)   
【注】2009年3月末で廃業した。
      
      
【源泉名】十二社天然温泉  【泉質】含食塩−重層泉(旧表示)

【泉温】25.9度   【湧出量】毎分230リットル   【pH】7.7  

【住所】東京都新宿区西新宿4−31−3 電話03−3376−4423 都営地下鉄大江戸線・都庁前から徒歩7分、新宿駅からだと15分強

【温泉利用状況】掲示なし

【浴槽】内湯(加熱浴槽、源泉水風呂)、サウナ

【営業時間】 11時から22時   木曜定休   【入浴料】1900円  

左手奥に湯口がある

 1900円という入浴料がネックになって敬遠していたこの温泉が2009年3月29日で閉館すると聞き、重い腰を上げて最初で最後の訪問に出かけた。都庁から目と鼻の先、マンションの地下1階という不思議なロケーションだ。

 入口の辺りはは場末の映画館のような雰囲気(失礼!)。1900円を払い「タオルは持っていますか?」と確認された上でレストランのような伝票を渡され、脱衣所手前にある別の受付に進む。ここで伝票を渡して自分の名前を告げ、脱衣所ロッカーの鍵を受け取る仕組み。私は休憩しなかったので、この伝票がどんな仕組みなかは最後まで不明のまま終わった。

源泉浴槽は内湯を囲むようL字型

 脱衣所も限りなく昭和のムードが充満している。要するにかなり古びているというかくたびれているというか。冷水器はあるものの、ドライヤーは有料100円、アメニティも一切ないのは料金から考えると寂しい。

 浴場は加熱浴槽と源泉浴槽が1つずつ。源泉浴槽はガラス戸を出たところにある。簡単な屋根があるものの、外気が入ってくるので「半露天」の扱いでもいいかも。源泉風呂は21.8度、加熱浴槽は43度ある。加熱浴槽も湯口から注入しているの非加熱の源泉らしく、25度くらいだった。透明度は5センチ強かな。強いすべすべ感があるのは都内の黒湯共通だ。

濃い黒湯だ

 あとからやってきた常連らしき人達によると、「今日は熱い」とのことだった。皆さん、サウナも水風呂も使わず、体を洗ったあとは加熱浴槽に出たり入ったりを繰り返している。それがここの流儀なんだろうか? 平日の開店から1時間半ほどいて、女湯の入浴客は最大で5人だった。

 帰り際に閉館後の温泉と施設の行方を尋ねたら、経営が代わって温泉を続けることはありえないと言われた。閉館というよりも廃業だった。というのも、温泉法の改正に伴って営業許可が下りない(取り消された?)んだそう。景気のせいだとばかり思っていたので意外な返事だった。つまり、渋谷のシエスパの爆発死傷事故に伴い、温泉法が改正されて源泉汲み上げ装置の周りに空間を設けることなどが定められたため、現行施設での営業ができなくなってしまったのだ。温泉法改正については理解しているつもりだったが、50年以上も営業してきた施設がこんな風に営業をやめなくてはならないという現実に、やるせなさを感じた。(2009年3月)

第2の受付(左)、ビルの前から都庁を見る(中)。都庁の展望台から見下ろすと、上に赤い印をつけたビルに入っている(右)
 
陽イオン mg/kg mval%   陰イオン mg/kg mval%   非解離成分 メタケイ酸  112.2mg
カリウム 26.97 2.24   塩素 322.3 27.24     メタホウ酸 34.56mg
ナトリウム 679.3 95.69   硫酸 2.498 0.16     腐食質 284mg
カルシウム 5.264 0.85   ヒドロ炭酸 1467 72.06        
マグネシウム 4.345 1.16   炭酸 4.345 0.43   溶存ガス成分 遊離炭酸 70.33mg
第一鉄 0.520 0.06   水酸 0.009  0.00     有機物  172.2mg
  メタホウ酸 1.015  0.07        
  ヒドロケイ酸 1.110 0.04        
合計 716.4       33.37          
(昭和53年12月27日)

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