らくだジャーナルTOP>近畿・中国・四国の温泉一覧>有馬温泉「御所坊」「上大坊」「金の湯」
■有馬温泉■
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道後、白浜とならんで日本三古湯に数えられ、日本書紀にも登場する名湯。豊臣秀吉に愛されたことでも有名。赤茶色で鉄分と塩分を多く含む金泉は、日本で一番濃い温泉として知られている。炭酸泉の銀泉はかつてサイダーに使われていたそう。 アクセス:神戸鉄道の有馬温泉駅から徒歩で回れる。三宮、宝塚、、芦屋、梅田からバスもある。
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●陶泉 御所坊
【源泉名】御所源泉、妬源泉(混合泉) 【泉質】含鉄塩化類強食塩泉
【泉温】94−100度 【泉源】地下185メートル 自噴
【住所】神戸市北区有馬温泉858 電話(078)904−0551 有馬温泉駅を出て右手へ道なりに進むと右手に観光案内所があり、左手おくに御所坊がある。徒歩5分弱。
【浴槽】内湯(源泉槽各1、白湯各1)
【日帰り入浴の営業時間】11時から18時 繁忙時不可
【料金】1575円 地図(別ウインドウで開きます)
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事前に電話したところ、「週末は宿泊客や食事付き入浴のお客様を優先するので日帰り入浴できないこともありますと言われた。行ってみるといかにも敷居の高そうなところだったけど、「どうぞどうぞ」と感じよく受け入れてくれた。脱衣所にロッカーはないのでフロントで貴重品を預ける。
脱衣所に入ってびっくり。高級旅館とはミスマッチな西洋風なつくりでシティホテルのようだ。貧乏性の私はちょっと落ち着かないような気になる。浴室に通じるドアも洋風。浴室に入ってまたびっくり。トンネルのような通路の両側にカランがある。全部で6ヵ所だったかな。そんなに多くない。なんだかミステリアスな雰囲気だ。入って右側に隠れ家風の浴槽がひとつ。ジェットバス状になっている白湯で、温度はそれほど高くない。
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奥にみえる石の向こうは男湯になっている |
源泉槽へのアプローチも探検風。なんせ薄暗いうえに冬場で湯気がすごいため足元が見えない。そろりそろりと足を動かす。明るい方に向かってず〜っと進んで行くと、急に目の前が開けた。左側は男性の浴槽で仕切りは低い位置にあるけど、湯が茶色く濁っているので立ち上がらない限り見える心配はない。こういうのを半混浴というのだろうか。遊び心のある作りだなぁ。カップルで入浴する人は楽しめると思う。
湯の透明度はわずか数センチ! こんなに濃い濁り湯に入るのは初めてで、自然に顔がほころんでくる。かなり体にズシンとくる湯で、長湯していられなかった。脱衣所に海水の2倍の塩分とあったから、それもしょうがないか。湯はちょっと熱め。あとから入ってきた人たちは、そろって「あつ〜い」と言い、ぬるめの白湯につかっていた。もったいない…。
入浴料は高いけど、1度は行ってみてもいいと思う。ボディシャンプー、シャンプ−、コンディショナーは完備。脱衣所はやや狭めながらドライヤー、ベビーベッドもある。(2003年12月)
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脱衣所の化粧コーナーはとてもおしゃれ。左側の手前(写真に入っていない)は棚にカゴが置いてあるだけ |
●上大坊
【源泉名】天神源泉 【泉質】含鉄・ナトリウム−塩化物強食塩泉
【泉温】98.2度 【pH】5.89 【湧出量】毎分28リットル
【住所】神戸市北区有馬町1175 電話078−904−0531 有馬温泉駅を出て右手へ道なりに進むと右手に観光案内所がある。その向かいの坂道を上がり、金の湯を通りすぎた左側。駅から徒歩約5分。
【浴槽】内湯(源泉槽1、白湯1)
【日帰り入浴の営業時間】15時から18時 繁忙時不可
【料金】1000円 地図(別ウインドウで開きます)
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外観は素っ気ないともいえるシンプルな佇まい。内装はきれいで掃除も行き届いており、外観よりもモダンな感じがする。浴室はいったん2階に上がり、脱衣所に入ってから質素な階段を1階分降りる。浴室のすぐ裏に天神泉源がある。聞いたところによると、ここはどの旅館よりも泉源に近いらしい。そのせいか、御所坊を上回るまったりとした質感の湯だった。
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源泉槽は3人ぐらい入ればいっぱいの大きさ。脱衣所で会った先客が「とにかく熱い」と言っていた通り、赤茶色に濁った湯の中へ手をちょっとつけただけで飛び上がるほどの熱さ。不本意ながら水で薄めないととても入れない。かなり加水してようやく入れた。それでも透明度は数センチ。塩辛さも格別だ。じわじわと攻撃的な湯で、長くつかっていられない。出たり入ったりを繰り返しているうちに身も心もぐにゃぐにゃと骨抜きになったような気がした。脱衣所にあった分析書によると、成分総計は62.1グラム! |
浴室が湯気だらけでうまく写らなかった(左)ので、洗面器に汲んだ源泉を脱衣所に持ち込んで撮った |
カランは2ヵ所。浴室も脱衣所も、お世辞にもきれいとはいえないけど、ひなび系が好きな人なら「迷わず上大坊」で正解では。脱衣所にロッカーはない。(2003年12月)
陽イオン |
mg/kg |
mval% |
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陰イオン |
mg/kg |
mval% |
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非解離成分 |
メタケイ酸 |
126mg |
リチウム |
51.9 |
0.71 |
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フッ素 |
4.22 |
0.02 |
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メタホウ酸 |
495mg |
ナトリウム |
18400 |
75.5 |
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塩素 |
34500 |
99.9 |
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カリウム |
4830 |
11.7 |
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臭素 |
15.9 |
0.02 |
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マグネシウム |
22.2 |
0.17 |
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硫酸 |
1.02 |
0 |
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カルシウム |
2400 |
11.3 |
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炭酸水素 |
40.1 |
0.07 |
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ストロンチウム |
29.5 |
0.06 |
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溶存ガス成分 |
遊離二酸化炭素 |
86.6mg |
バリウム |
34.5 |
0.05 |
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マンガン |
31.1 |
0.11 |
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亜鉛 |
0.89 |
0 |
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鉄(II) |
121 |
0.41 |
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成分総計 |
62.1g? |
(平成11年1月28日) |
●金の湯
【源泉名】有明1号泉・2号泉 【泉質】含鉄・ナトリウム−塩化物強塩項温泉
【泉温】82.4度(気温16.4度) 【pH】6.21 【湧出量】毎分51リットル 掘削自噴
【住所】神戸市北区有馬町833 電話078−904−0680 有馬温泉駅を出て右手へ道なりに進むと右手に観光案内所がある。その向かいの坂道を上がった右側。駅から徒歩約5分。
【浴槽】内湯
【日帰り入浴の営業時間】8時から22時(入館は21時半まで) 第2・第4火曜日と1月1日は休業
【料金】650円 地図(別ウインドウで開きます)
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2002年に新装オープンした日帰り入浴施設。1階でゲタ箱に靴を入れ、入浴券を券売機で買って受付に出すと、ロッカーの鍵を貸してくれる。貴重品用ロッカー(無料)は受付向かいにある。浴室は2階。 浴室は入ってすぐある丸い浴槽が白湯のあがり湯(浸かることができる)、左手にある大きな浴槽が源泉になっている。2つに区切られている源泉槽は左右両方の隅から源泉が投入されている。左側は小さく区切られている分だけ湯が熱い。右側は大きくて湯もゆるめ。多くの入浴客はこちらにつかっている。
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外にある足湯は無料。いつも賑わっている |
上大坊や御所坊に比べたら湯の密度は低い感じで塩味も薄い。湯の透明度は5−7センチぐらい。赤茶色の細かい湯の花がポツポツ混じっているのが確認できたところからも、ほかの2ヵ所よりも成分が薄いと実感。せっかく有馬に来たのだったら、ここに入るだけじゃもったいないと思う。それでも土曜日の昼前後でも脱衣所はほぼ飽和状態。浴室のカランは約20ヵ所で、それもほぼいっぱいという込みよう。ボディシャンプーとリンスインシャンプーは完備。浴室内は込んでいたので撮影は自粛した。 建物の太閤の飲泉場と太閤の足湯がある。見ていると、お湯を飲んだ人はみな「まず〜い」と顔をしかめていた。足湯はいつも込んでいる。1階ロビーには有馬温泉を訪れた有名人の名前が掲示されている。
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太閤の飲泉所。金属と炭酸の味がした |
カメラ・筆記用具を貴重品用ロッカーに預けてしまったため、脱衣所の分析書を撮影・メモすることができず、受付で分析書のコピーをいただいた。非解離成分と溶存ガスの記載はなかった。(2003年12月)
陽イオン |
mg/kg |
mval% |
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陰イオン |
mg/kg |
mval% |
リチウム |
24.8 |
0.60 |
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塩素 |
22000 |
99.5 |
ナトリウム |
10000 |
73.3 |
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臭素 |
38.2 |
0.08 |
カリウム |
2080 |
8.91 |
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硫酸 |
19.1 |
0.06 |
マグネシウム |
15.3 |
0.21 |
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炭酸水素 |
127 |
0.33 |
カルシウム |
1920 |
16.1 |
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ストロンチウム |
31.2 |
0.12 |
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バリウム |
23.0 |
0.06 |
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マンガン |
24.2 |
0.15 |
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鉄(II) |
102 |
0.61 |
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アルミニウム |
1.15 |
0.13 |
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銅 |
0.18 |
0.01 |
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亜鉛 |
0.17 |
0.01 |
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合計 |
14200 |
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22200 |
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(平14年10月1日) |
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