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●鉛温泉「藤三旅館自炊部」 
   
    

【源泉名】(1)下の湯 (2)桂の湯 【泉質】(1)弱アルカリ性単純温泉(2)含芒硝硫化水素単純泉

【泉温】(1)50.2度 (2)45.5度 【湧出量】不明 【pH】(1)8.4(2)不明

【住所】岩手県花巻市鉛字中平75−1 電話0198−25−2901 花巻駅からバス(路線バスのほか無料シャトルバスあり)詳しい行き方は末尾参照

【浴槽】(1)河鹿の湯、桂の湯(露天あり) (2)白猿の湯  ほかにも内湯あり

【日帰り入浴が可能な時間】7時から21時   

【料金】700円(旅館部・自炊部共通)

藤三旅館湯治部の外観

自炊部の帳場

 花巻駅からのバスを降りて川側に坂道を降りていくと、途中で旅館部、湯治部の入り口に向かって分かれ道になっている。今回は一泊2食付で税別3900円(平日)という安さに引かれて湯治部に泊まってみた。1人泊でも追加料金は不要。テレビと寝具は込みで浴衣(200円)、暖房は別料金。日帰り入浴の場合は旅館部、自炊部どちらから入っても700円ですべての浴室を利用可能なので、自炊部に泊まるよりも入れる温泉は多い。
自炊部の帳場。格安料金なのに部屋まで案内してくれ食事は部屋出し
 自炊部の食事は早い。到着が午後5時半をすぎたこともあり、部屋に案内してくれた人に「食事はすでにお出ししてあります」と言われた。ご飯、味噌汁などは発泡スチロールの容器に入っているので、温かいままいただけてホッとする。男性には少ないかな〜という量ながら、料金の割には満足できる内容。食べ終わったら廊下に出しておくと片付けてくれる。

 あまりにも安く泊まれるのでちょっと心配していたのだが、シーツ類は真っ白で清潔。快適に過ごせた。自炊部には売店もあり、生活必需品は手に入るようだ。

客室の内部

6畳の部屋には食事が準備され、テレビがついていた

「桂の湯」の内湯

 温泉は「桂の湯」、「白猿の湯」、「河鹿の湯」を案内され、手始めに「桂の湯」に行く。数カ月前にできたばかりで、脱衣所・浴室ともすごくキレイ。脱衣所には貴重品用の小さなロッカーがあるほか、ポーラの化粧品も置いてあって湯治宿という雰囲気皆無。川沿いの眺めが良い露天はぬるめ。入った人は「寒い」といってすぐに内湯に引き上げていく。内湯は洗い場との距離が近く、シャワーの排水などが入りそうなのがちと気になった。要するに、それほど広くないスペースに内湯と露天を配した印象。お湯は無色透明でわずかに温泉臭がするようにも感じたがほとんど無臭。ここは「下の湯」源泉を使用している。「桂の湯」と「河鹿の湯」は備品完備。
「桂の湯」の内湯。右側にカラン(シャワー付き)が5カ所ある

 「白猿の湯」は藤三旅館のシンボルともいえる浴室で、温泉ガイドブックなどで藤三旅館が紹介されるときには必ず写真が載っている。

 基本は男女コンヨクながら午後7時から8時半の間だけは女性専用時間となるので、7時なるとほぼ同時に行ってみた。引き戸をあけると思わずおぉと声を出してしまった。黒い石張りの浴室に脱衣所スペースの木製部分が新しく輝いている。真ん中にある小判型の浴槽は鏡のよう。廊下の障子窓と灯りが湯面に映っていて美しい。

 少し冷静になってみると、入り口には目隠しもなく、下に浴室が広がる。対角線上にはもう一つの入り口と階段がある。階段を降りたところが脱衣所スペースで、申し訳程度の衝立がある。う〜ん、これじゃコンヨク時間帯は難易度高いなぁ。壁には簡易成分表のような古い掲示があり、源泉は「桂の湯」となっていた。「白猿の湯」の源泉が『桂の湯』で、「桂の湯」の源泉が『下の湯』というのはややこしい。

白猿の湯

雰囲気最高の「白猿の湯」

 ここは体や髪を洗うのは禁止で純粋にお湯につかるだけ。小判型の浴槽は深さが1.25メートルあると聞いていたけど、底は平らじゃなくてかなりデコボコしている。場所によっては1.4メートルよりも深いと思われる部分もあった。浴槽内の中心に穴が開いているのが見え、近づいていくと熱い湯が噴出している。

「桂の湯」の露天風呂

 しばらくしたら、女性客が三々五々やってきた。浴槽内側の周囲は一応段になっていて足場はあるんだけど、小柄なおばあちゃんは掛け湯もそこそこ、一番深そうな部分に飛び込むように入ってしまいジタバタしている。思わず近づいていって手を貸してあげた。お湯は熱めで私は長く浸かっていられず、傍らにある丸くて小さなぬる湯と交互につかったり、縁のあたりにペタリと座って女性専用時間を目いっぱい楽しんだ。もう少し長くしてくれるか、朝方も少し女性用の時間があると嬉しいなぁ。
「桂の湯」の露天風呂。ぬるめだった
 翌朝は6時に起きて「桂の湯」の露天に入ったあと、「河鹿の湯」へ。ここは「桂の湯」と同一源泉。気にしないで入ってしまったが、眺望風呂をうたっているだけあり、窓から外がよく見える。橋の向こうに民家があり、どうみても1階は台所。湯口にはカップがあったので源泉を飲んでみたら全く無味。そう、ここのお湯は総じておとなしめなのだ。源泉は全部で4本とのことなので、入れなかった「白糸の湯」と「竜宮の湯」は別源泉を使っているみたいだ。

 朝ごはんは7時半ごろと聞いていたが、実際には7時10分すぎぐらいに持ってきてくれたので、予定を早めてチェックアウトした。(2004年10月)

河鹿の湯
河鹿の湯。右手前にカラン(シャワー付き)が2カ所ある。窓の向こうは川の反対側に民家

新花巻駅と花巻駅からのアクセス:
 岩手県交通の路線バス(時刻表)があるほか、花巻南温泉峡の無料シャトルバスがある。2004年10月現在は、第1便が新花巻駅14時40分発、花巻駅は14時55分発で鉛温泉15時38分着。第2便は新花巻駅16時半、花巻駅16時45分発で鉛温泉17時28分。帰りは鉛温泉9時32分発、花巻駅10時10分着、新花巻駅10時25分着で予約不要。このほか、2人以上9人までの宿泊客は藤三旅館に送迎してもらえる(3日前までに予約、14時から16時限定)。

桂の湯源泉(白猿の湯で使用)の成分:(単位mg/kg)
 塩素64.0、硫酸285.5、ヒドロ炭酸132.0、硫化水素0.8、遊離炭酸0.6、ケイ酸59.8、ホウ酸11.0
 ナトリウム199.1、カリウム2.3、 カルシウム20.7、マグネシウム・鉄・アルミニウム各微量
 ラジウムエマナチオン1.18、トリウム4.0

下の湯源泉の成分表

陽イオン mg/kg    陰イオン mg/kg    非解離成分 メタケイ酸 52.0mg
ナトリウム 167.1   フッ素 2.5     メタホウ酸 4.4mg
カリウム 2.5   塩素 59.2        
マグネシウム 0.1   硫化水素 0.1   溶存ガス成分 遊離二酸化炭素 0.7mg
カルシウム 14.3   硫酸 256.6        
      炭酸水素 98.9        
      炭酸 2.1        
合計 184.0   合計 419.4     成分総計 0.6605g

(平成14年1月18日)


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