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●霧積温泉「金湯館」
  
  

【源泉名】霧積温泉入之湯   

【泉質】カルシウム−硫酸塩温泉

【泉温】39度 【湧出量】不明  【pH】不明

【住所】群馬県安中市松井田町坂本1928   電話027−395−3851  

【浴場】内湯   

【温泉利用状況】非加熱・非加水のかけ流し

ほいほい坂の上から見下ろす金湯館

【日帰り入浴の営業時間】随時      【入浴料】500円  

 物好きというのは私以外にもいるもので、台風9号の被害で霧積温泉が孤立して宿泊客がヘリコプターで救助されてから数週間後、林道も復旧していなくて雨が降るとの予報が出ているにもかかわらず「行こう!」と盛り上がってしまった。

 事前に2回電話して、きりづみ館までの県道は復旧しているものの、きりづみ館から金湯館への林道は依然として通行止めで山道(通称:ほいほい坂)を20分ほど歩かなくてはならないことを確認する。入浴時間を尋ねると「来ればいつでも入浴できる」という(随分アバウトだな〜と思ったのだが、行ってみると時間に縛られない宿というのが分かった)。雨でもホイホイ坂を歩くのには特に問題ないとのことで決行する。

女湯。湯口はカップの置いてある岩陰にある

 きりづみ館の駐車場に車を置き、黄色い看板にしたがって歩きだす。「幼稚園児でも歩ける」と聞いていた通り、それほど急な傾斜はない。このほいほい坂も台風9号の被害を受け、道を直したそうだ。20分も歩くと緑の木々の中、赤い屋根がポッツリ見えてきた。

 水車が2つ残っているのは、かつての貴重な動力源だったから。電気が通ったのは1981年のことだ(行ってみてこんなところまで電気が通っていることに感動した)。霧積温泉が舞台となる「人間の証明」が映画化されたのは1977年のことだから、当時はまだ電話も電気も林道もなかったんだ。中に入ると天井にはいまだにランプがいくつも下がっている。そういえばつい先日の台風でも停電したんだっけ。

男湯。どうみても女湯より居心地良さそう。

 お風呂は男女別の内湯のみ。浴室の引き戸を開けた瞬間、硫黄の匂いがふんわりと広がった。無色透明のお湯は新鮮そのもので、ふんわりと軽めの感触。体が喜んでいるのが分かる。湯口脇にはカップが置いてある。微塩味の飲みやすい湯だ。浴感は最初スベスベであとキシっとくる感じ。源泉は39度ということでかなりぬるいのではないかと想像していたのだが、実感は予想以上に高かった。源泉は建物のすぐ裏から湧いているそうだ。浴槽からあふれる湯に排水が追いつかず、床はヒタヒタ状態になっている。

水車奥の建物の「ゆ」は男湯の暖簾

 ただ、女湯は上のほうにある小さな窓にグリーンのシートが張り巡らされていて暗め。窓が大きくて周りの景色が見えるといいのに。あとで男湯に誰も入っていないというので見学したら広くて明るかった。比べてしまうと正直ちょっとガッカリ。男湯を見たあとは『フン!こりゃはあげられないな』と思ったのだが、日が経つにつれてに『あんな場所にあんな温泉旅館が残っていること自体が国宝級だな〜』と愛しさが増してきてしまい、結局はの温泉になってしまった。ほいほい坂を歩いていった分、温泉のありがたみが増したのもある。

 お湯もさることながら、経営している一家はとても良い人たちだ。電話したときの対応も感じがよく、実際に訪問したときは入浴後に台風のときのヘリコプター救出話などを聞かせていただいた上、お茶をご馳走になった。ヤッケ姿で歩いている私を気遣って傘を貸してくれようともした。とにかく大好きなところ。(2007年9月)   

森村誠一のサイン(左)はお約束? 浴室外にも飲泉所がある(中央)。玄関ホールにはランプがたくさん下がっている(右)

       
陽イオン mg/kg mval%   陰イオン mg/kg mval%   非解離成分 メタケイ酸  1.20mg
ナトリウム 54.0 8.95   塩素 45.40 4.83     メタホウ酸 21.40mg
カリウム 1.10 0.11   硫酸 1181 92.72        
マグネシウム 0.73 0.23   炭酸水素 39.70 2.45        
カルシウム 476 90.60    
鉄(II) 0.05 0.00            
マンガン 0.12 0.00            
ストロンチウム 1.45 0.11            
合計 533.44 1266.1 成分総計 1822.14mg
(昭和58年7月11日)

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