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●二岐温泉「大丸あすなろ荘」
    
    

【泉質】単純温泉とカルシウム−硫酸塩泉

【泉温】単純温泉は45.4度(気温6度)、自噴泉岩風呂のカルシウム・硫酸塩泉は54度(同24.5度) 

【住所】福島県岩瀬郡天栄村ニ岐 電話0248(84)2311 JR東北本線の新白河駅から送迎バス(要予約)で1時間10分。須賀川駅から福島交通のバスが1日2本ある。公共交通機関を利用して日帰り入浴するのは不可能。

【浴槽】大浴場(内湯と露天)男女各1、男性用露天2、女性用露天1、女性用内湯(子宝の湯)1、混浴の自噴泉岩風呂1 

【営業時間と定休日】11時から14時半(15時にはチェックアウト) 

【料金】735円

あすなろ荘入口の門
送迎車

 日本秘湯を守る会の会員になっている老舗旅館。普段なら1泊1万8000円からでとても縁がないけど、平日のみ8500円というキャンペーンをやっていたので女友達と利用してみた。

 新白河の駅周辺はもう桜が散っているのに、送迎バス(ワゴン車)が羽鳥湖を越えたあたりから、あちこちに雪の吹き溜まりが残っている。桜はまだ赤茶色のつぼみで、ほんの一筋の割れ目からピンク色の花がほんの少しだけ見える程度。

新白河駅からあすなろ荘までの間にみやげ物屋で休憩があった。


 チェックインして部屋に案内してもらう。エレベーターで一階におり、廊下を右手に進んで階段でさらに一階降りた115号室だった。入るとホールがあって引き戸の向こうに廊下。さらに襖を開けるとコタツの置いてある4畳の和室、その向こうに8畳の和室という豪華なつくりで、2人で利用するには十分すぎる広さだ。ホールには奥から風呂(入らないけど)、洗面所、トイレの順にある。8畳間にはホットカーペット、4畳間には冷蔵庫(ただし自分の物を入れるスペースは限りなく小さい)と金庫付き。

 窓を開けると露天風呂へと続く庭で、木々はまだ芽が膨らんだ状態だけど、矮性のラッパ水仙が群生して咲いている。モノトーンの庭のそこだけが黄色くまばゆい。

客室内部
8畳間にはホットカーペットが敷いてある

子宝の湯

 さっそく女性用の露天風呂に向かう。すぐ目の前に庭があるのに、外への出口は1階上にある。そこから再び階段を降りなくてはならないので面倒くさい。文句をいいつつ川沿いの湯小屋へ。脱衣所は2、3畳の広さ。カゴが置いてあるだけでロッカーはない。脱衣所の扉を開けると内湯の「子宝の湯」がある。浴槽の左縁から勢いよく湯があふれていて気持ちいい。お湯の当たりは柔らかく、すこしつるつる感がある。生きのいいお湯だ。無色無臭。

子宝の湯  

 子宝の湯の反対側のドアを開けると女性用の露天風呂。こちらは竹を使った2本の樋からお湯が注ぎ込んでいる。それだけじゃない。よくみていると、浴槽の底からプクプクと小さな泡が出ている。手をがざすと少し熱い。浴槽の底からも源泉が沸いているようだ。オーバーフローの湯はすぐ下の川へ。開放感のある露天でしばしまったりした。

  子宝の湯に比べると浴感には乏しいけど周囲の環境は素晴らしい。辺りの木々は4月下旬とはいえ新緑の季節にはほど遠い。それでも一部の木は赤い芽が膨らみ、まるで赤い実がたわわになっているかのように見える。渓谷の音がすがすがしい。

女性用の露天風呂
女性用の露天風呂。浴槽回りの岩には見事な苔が生えていた

男性用の露天風呂

  午後6時から9時は男女の露天風呂が入れ替わる。つまり、女性は男性用の露天風呂2つに入れるし、男性は「子宝の湯」と女性用の露天風呂に入れるわけ。せっかくなので暗くならないうちに入ろうと思い、6時ちょうどに部屋を出る。脱衣所に貼ってある分析表は子宝の湯の脱衣所に貼ってあったのと全く同じだ。つまり単純温泉。丸い湯船が2つあり、仲居さんが「熱めでちょうどいい」と教えてくれた奥の小さな露天風呂はちょっと熱過ぎ。手前のぬるい露天風呂で体を慣らし、奥の露天風呂に移動する。奥の方が川に近く、雰囲気はずっと野性的になる。オーバーフローした湯が川の流れと一体化するのはほんの数十センチ先だ。女性用の露天風呂よりも遥かにワイルドで秘湯感たっぷりで満足した。できればもう少し早い時間帯に入りたい。

川のすぐ脇にある熱めの浴槽。夕方で暗くなってしまい残念

 夕食は希望時間に食事処で。7時でお願いしたら私たちが一番遅かったみたいで、私たちが席についたらほかの人たちはみんな食事中だった。食事処は各テーブルの間についたてがあり、掘りごたつ状になっている。カモ鍋、岩魚の塩焼きなど質量とも大満足の内容だった。一番最後に食べ始めたので、当然ながら食べ終わったときには回りにほかの客はいなかった。通常料金で泊まっているらしい人は、別のところで違う料理を食べていた。

夜ご飯

席についた段階でこれだけそろっていた

 一休みして館内の大浴場へ。内湯と露天があり、露天の湯口付近に陣取った。川沿いの露天風呂の雰囲気がすごくいいだけに物足りなさを感じてしまうのは贅沢なんだろうか。内湯のカラン(シャワー付き)は4カ所。リンスインシャンプーとボディソープがある。ここも脱衣所にはロッカーがない。

 脱衣所に掲示されている紙の分析表は、子宝の湯や男性用の露天風呂にある分析表と同一で、泉質は単純温泉、源泉名は「二岐温泉4、5、6、12号線)となっている。でも、おかしいな。その上に掲示されている木の板には「泉質 硫酸塩泉」と出ている。どういうこと? 温泉本や個人のホームページでは、ここの泉質は「硫酸塩泉」または「カルシウム・硫酸塩泉」となっているのに。

大浴場の露天風呂

 フロントにいる若い男性に尋ねたら、男女の大浴場(内湯、露天とも)と、男性用露天、女性用露天は単純温泉。子宝の湯と自噴泉岩風呂はそれぞれ別源泉ながらカルシウム・硫酸塩泉だそう。カルシウム・硫酸塩泉の分析表はないとのことだった。自家源泉は11本あり、そのうち使用しているのは8本だということも教えていただいた。う〜ん、掲示が紛らわしい。混乱を招くので、大浴場に2種類の泉質を掲示するのはやめたほうがいいと思う。「単純温泉」は格下みたいなイメージがあるんだろうか?

大浴場の露天風呂

 翌朝は早起きして自噴泉岩風呂に。ここは混浴だけど、午前6時から8時が女性専用となる。脱衣所も一緒でついたてすらないので、混浴時間帯に入るのはかなりの覚悟がいりそうなところだ。浴槽は長方形。底は昔の川底を利用しているとかで、デコボコ。右側の底はすり鉢状に深くなっているのでご注意を。あちこちの底からプクプクと泡と熱いお湯が涌き出ているのが楽しい。泉質は「子宝の湯」と同じで柔らかく、生き生きとしているお湯だけどちょっと熱め。カランや備品はない。ここの脱衣所の掲示によると、泉温は54度でpHは8.8だそう。窓は壁の高い位置にあるので中はうす暗い。  

自噴泉岩風呂

自噴泉岩風呂の湯は生きがいい

 朝ご飯は8時から。なめこ汁、1人鍋、サケの塩焼きなどをいただく。新白河駅への送迎バスが出るのは10時なので、のんびりできた。1泊だけながらとてもリフレッシュできた。(2003年4月)

男女の露天風呂と大浴場(女湯)に掲示されていた分析表は全て同じだった。日本温泉協会のホームページに公開されている女湯の天然温泉利用証(PDFファイル)によると、給湯は放流一部循環濾過式。加水、加温はなし。(2005年3月加筆)

陽イオン mg/kg mval%    陰イオン mg/kg mval%    非解離成分 メタケイ酸      34.9mg
ナトリウム 3.6 26.23   塩素 1.9 8.20     メタホウ酸       1.8mg
カリウム 2.3 9.84   炭酸水素 34.3 91.8   溶存物質計 0.0851g
マグネシウム 0.8 11.48              
カルシウム 4.9 40.98           溶存ガス成分 0mg
アルミニウム 0.6 11.48           成分総計 0.0851g
合計 12.2     合計 36.2       (平成7年1月9日)

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