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●韓国の温泉 基礎知識 
   
   

韓国の地図 韓国の温泉は、日本人にもそれほど違和感のないところといえそうだ。これまで8温泉地の13湯を回ったところでは、韓国の温泉には銭湯っぽいところとスーパー銭湯っぽいところの2種類ある。どうも韓国の人は、日本のように湯船につかって「いい湯だな♪」と温泉そのものの良さを実感することはあまりないようだ。無色・透明・無臭のところが多く、いまいち浴感に乏しい。みんな洗い場や浴槽回りで必死にアカスリをしているのが印象的だ。浴槽に入っている人はどこも入浴客の10%以下って感じ。韓国で日本の温泉情緒を求めるのは無理がある。『郷にいれば郷に従え』で楽しもう。

 露天風呂は少ない。露天風呂があるのは高級ホテル内のスパ施設など、入浴料金の高いところに限られている。露天風呂に入る人も少なく、観光記念に温泉施設内部の写真を撮るなら露天風呂が狙い目かも。温泉施設の営業時間帯は日本とかなり違う。朝は早いところで4時、たいていは5時か6時ごろオープン。夜は7時か8時、遅くても9時ごろには閉まるところが多いようだ。

 これまで訪ねた温泉施設の入浴料は2500ウォン(約250円)から8000ウォン(約800円)と、全体的な物価からいったらちょっと高め。時間制限はない。たいていの場合、窓口で入浴券を買って入口で出すと、ロッカーの鍵と浴用タオル1枚を渡される。どの施設でも浴用タオル1枚は必ず貸してもらえる。高級施設だと棚にずらりとタオルやナイロンタオルが並んでいて好きなだけ自由に使えることもある。浴用タオル1本あれば十分という人は特に何も持参しなくても、追加料金なしで入浴可能なのが嬉しい。少なくとも石鹸はどこでも置いてある。一部では入口でタオルと一緒に一人用のミニ石鹸をくれるところもある。シャンプーは置いていないことも多い。シャンプーはなくても、歯磨きのチューブは必ずといっていいほど置いてあるのが日本とは違うところ。歯ブラシをもって入浴している人も多い。シャンプー類は別料金で売っている。靴は脱衣所に入る前に脱いでゲタ箱にいれるか、脱衣所まで持って行ってロッカーの下段に入れる。脱衣所に休憩スペースやマッサージルーム(別料金)を設けているところもある。冷水機は標準装備。

                      

韓国温泉協会の認定証 浴室は基本的に日本と同じ。先に書いたようにアカスリする時間が長いので、浴槽の大きさに対して洗い場が広く、カランの数は多い傾向にある。場所取りもけっこう熾烈だったりする。アカスリは別料金で頼むことも可能。どんな小さなところでも浴室にアカスリ用のベッドが2つくらいはある。浴室内の飲食は認められているらしい。紙パックの飲料や果物、スナック類を持ち込んでいる人が多い。浴室内にはカゴ状のゴミ箱が設置されている。

 浴槽は銭湯的なところだと真ん中に1つか2つ、水風呂は壁際に1つというのが基本構造。スパになると、各種イベント風呂がこれに加わる。湯の温度はだいたい日本の入浴施設と変わらないと思う。40度前後のところが多く、なかには高温浴槽を置いているところもある。サウナと水風呂はどこでもある。スパになるとサウナも黄土サウナやゲルマニウムサウナ、ミストサウナ、ドライサウナなど数種備えていたりする。おもしろいのはオンドル状になった寝浴(?)。といってもお湯があるわけではなく、床が暖まっていてそこにゴロンと横になり、木の枕をあててまったりする。混浴のプールゾーンがあるところはもちろん水着着用で入浴料のほかに追加料金が必要。日本語はほとんど通じない。

 温泉ホテル・温泉旅館の場合、部屋の風呂にも温泉を引いているところが多い(すべてそうなのかどうかは未確認)。また、各宿泊施設に併設された入浴施設が無料または割引料金で利用できる。温泉施設の入口には写真(温陽温泉の清州温泉旅館)のように「自然温泉」と表記された韓国温泉協会の認定証が掲げてある。人それぞれだけど、よほどの温泉好きでもない限り、温泉だけを目的に韓国に行く価値はないように思う。 

 なお、韓国には温泉マークのついた建物があちこちにあり温泉ファンなら狂喜するかもしれない。韓国の温泉マークは入浴施設だけを示すものではなく、旅館、モーテル、日本でいうところのラブホテルなど、つまり高級ホテル以外の宿泊施設にも付いているので注意しよう。(2003年10月)

 韓国の温泉に特化した参考文献としては、かなり前に出版された韓国温泉の意味―ソウルの次は「裸」の韓国・温泉全ガイド (情報センター出版局1987年)と、韓国温泉物語―日朝沐浴文化の交流をたどって(岩波書店、2004年)があるが、こっちはガイドブックではなく研究書で高価。トンネ温泉の歴史が詳しい。


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