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●中国・昆明「迦南温泉酒店」 
      
      
迦南温泉酒店の外観  昆明で温泉といえば別項で紹介した安寧温泉を指すのが普通だが、実は昆明市内にも温泉は結構ある。それに気づいたのは、売店で買った市バスの路線図を見ていたときだった。駅のすぐ南側(繁華街とは別の方向)に福徳温泉賓館なるものがある。その東には峨山温泉大酒店、空港に行ったらエアポートホテルに「温泉入浴」とバナーが下がっているといった具合だ。
迦南温泉酒店の外観は普通のホテル

 どこに行くか迷った挙句、泊まっているホテルから市バスで乗り換えせずに行ける迦南温泉酒店に狙いをつけた。といっても、日帰りで温泉入浴できるかどうかはまったく分からず、とりあえずいってみることにした。敷地内に入ると正面奥にホテル本館、左手に温泉入浴施設らしいところがある。どちらに行くか迷ったが、まずホテル本館のフロントに行ってみることにした。というのも、温泉の受付よりもホテルのフロントの方が英語が通じる確率が高いと思ったからだ。

 ある程度の大きさがあるホテルだから1人ぐらい英語を話すかもと思ったのは甘かった。フロントには4、5人いるのに誰も英語を話さない。筆談で温泉に入りたいことを告げると、大丈夫だとうなずいて1人の女性が私を別館の入浴施設まで連れて行ってくれた。外観は窓もなく、水滴を描いた不思議な建物。当然、中は暗くて開放感ゼロ。入浴料金も分からないまま、受付の人にロッカーキーをもらう。ここでホテルのフロントから来た女性は帰っていった。

敷地内にある入浴施設の迦南温泉水庁
ホテル左側にあるこの「迦南温泉水庁」が入浴施設

 受付の人がどこかに行ったかと思ったら、女の人を連れてきた。彼女に手招きされるまま部屋に入る。天井が低くて窓もなく暗い部屋だけど、かなり広い。ここが女性用のフロアらしい。マッサージ台やシャワーブースなどが点在しているのが見えた。ロッカールームは手前の一角にあり、利用するときはカーテンで仕切るだけ。大きなバスタオルを持ってきてくれたけど、裸になっていいものかどうか分からない。中国では個室以外は水着着用と何かで読んだような気がする。筆談で水着に着替える必要があるかどうか尋ねる。「不要」。裸になってバスタオルを巻けと言っているらしい。

ビニールシートでくるまれた個人用風呂  言われるとおりの姿になってカーテンの外に出ると、左手のシャワーブースに案内された。まず最初にここで体を洗うらしい。ボディソープやシャンプー類もそろっている。ここで一通り体と髪を洗ってブースの外に出ると、奥の浴槽群に案内された。木製の1人用バスタブが通路を挟んで4つずつ8つぐらい並んでいる。衛生上の問題からか、半分ぐらいの浴槽はビニールで覆われている。
1人用の浴槽。座ってゆっくり足を伸ばせる

 私が案内されたのもビニール付ですでにお湯が張られていた。結構ぬるめで無色透明。普通の風呂とまったく変わらない湯だ。ここでタオルをとって浴槽に入る。両隣とは仕切りがある(それでも立つと丸見え)けど、通路からは丸見えだ。この個人風呂に入っているのは私だけとはいえ、従業員の女の子は通路の先にあるテレビを見に集まってくる。向こうはみんな制服姿なのでどうも落ち着かない。通路との境はスダレ上のものが上についているけど、使っていない。使ったら使ったで1人分のスペースが狭くなって息苦しいかもしれないので、このまま周りをキョロキョロする。

 そのうち私の担当らしい女の子が来て何か聞くのだが、何を言っているのか分からない。筆談用のノートもロッカーの中。諦めた彼女がどこかに行ったと思ったら、ホットミルクを持ってきてくれた。どうやら「お飲み物は何にしましょう?」と聞いていたらしい。あたりを見回すと、バスクリンの宣伝ボードらしいものが置いてある。なんか興ざめ。ここに入っている時間は特に決まっていなくてすきなだけ入っていていいらしい。ぬるくなってくるまでゆっくりつかり、立ち上がってバスタオルを巻きつける。

昆明空港前にあるエアポートホテルも温泉を引いている
昆明空港の目の前にあるエアポートホテル(迦南温泉酒店とは関係ありません)。黄色いバナーに赤い字で「温泉浴」と書いてある

 ふと気がついたら1人用バスタブの脇に3メートル角ぐらいの浴槽がある。手を入れてみたら水風呂だった。その後、マッサージやミストサウナを勧められたが、主目的は温泉につかることだったので断り(料金を事前に確認していなかったので怖かったのもある)、着替えて受付に戻り精算。36元だった。貸切風呂じゃないけど、タオル・石鹸付で飲み物も出てきたことからすれば、そんなに高くない。お金を支払ってから気になっていた質問を筆談でする。ここは本当に温泉なのかどうか。そうだという。温度は36度。1人風呂のお湯は少し加熱していると思うけど、ひょっとしたら源泉そのままかも。全然温泉らしくなかったけど、スノッブなマダムがくつろいでいる不思議な空間は十分に興味深かった。(2004年7月)


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