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●古遠部温泉
  
   

【泉質】含石膏弱食塩泉   【泉温】42度 【pH】6.48

【湧出量】毎分約500リットル(古い分析書には800リットルと記載)

【温泉利用状況】掲示なし

【住所】青森県南郡碇ヶ関村大字碇ヶ関字西碇ヶ関山1−467 電話0172−46−2533 宿泊客はJR奥羽本線の津軽湯ノ沢駅から送迎してもらえる

【浴槽】男女別内湯   【日帰り入浴の営業時間】9時から20時  

【入浴料】260円 

 1人泊で訪れた。宿泊客は津軽湯の沢駅から送迎してもらえる。駅から5キロ余りだろうか。途中、冬の降雪期に道の目印となるポールがあちこち立っていて、このあたりはかなり雪が降るんだろうなと思う。思っていた以上に山の中にある。気の弱そうな犬がやる気なさそうに尻尾を振ってお出迎えしてくれた。

 外観は山のロッジ風でもある。入ってすぐのソファで日帰り入浴の客がくつろいでいた。入口のある階はフロント(帳場のほうが適切かな)、小さなロビー、食堂と一部の客室があり、私の部屋は客室はギーギーいう階段を1階分降りたところだった。台風が迫りつつあるという天気のせいもあるのだろうか、なんとなく薄暗くて湿っぽい。

すでに布団が敷いてあるのでゴロゴロできる

 6畳の部屋は最初から布団が敷いてあった。お茶の道具は座卓の上に用意されている。テレビもあるのだが、BSはともかく地上波は白黒で、画像は原型をとどめていない。「電波の関係でこれ以上よく映りません」と紙が貼ってあった。質素ながら、必要なものはちゃんとそろっている。トイレはボットン式。窓の外は浴室から捨てられた湯が流れていくのが見える。周囲は黄土色に盛り固まっている。

 肝心の浴室は私の部屋のすぐ隣。時間を気にせず何回でも入れてよかった。客室階からさらに階段を降りたところにある。脱衣所も浴室もプリミティブだ。脱衣所は棚にプラスチックの脱衣カゴとアナログの体重計があるだけ。浴室に1歩足を踏み入れると、長方形の浴槽からあふれた湯が床のほぼ全体に広がって漂っている。湯が広がっていない隅っこの部分の床は板張りの原型をとどめているが、あとの90%以上は析出物がコテコテにくっついている。全体がヒバ造りだなんて到底信じられない。

床には複雑な湯の流れができている

 浴室に入っただけで金気臭を感じる。お湯は緑・灰が混ざったところに黄土色を少し入れたような色合い。湯口の湯をすくってなめてみると炭酸+軽い塩味の中に甘みもある複雑な味がした。浴感はキシキシ系。床の洪水はヒタヒタなんてもんじゃなく深さ5センチぐらいあるところも。床には複雑な流れができていて、浴槽からあふれ出た湯が「まだ、出て行きたくない!」と駄々をこねているかのよう。独占状態のときに、洪水状態の床にトドのように寝そべっていて、ふと『このまま一晩ここにいようか』などと思ってしまった。シャンプーや石鹸といったものは一切ない。

 カランなどは一切ない。壁に鏡が2枚あり、その下に棚状の板があるだけ。あくまで原始的だ。新鮮なお湯さえあれば他には何もいらないのだということを再認識した。部屋にあったペラペラの白いタオルは1回使っただけで、まだらに茶色く染まってしまった。基本的に1日中入浴できるが、夜8時から8時半は清掃時間になっているそう。あと、朝の8時前も脱衣所に掃除機をかけている人がいた。

湯口近くの床に穴があり、あふれた湯が捨てられる

 1軒宿なので周囲には店もなく、ブラブラ散歩するぐらいしかやることない。夜ご飯は5時すぎに部屋まで呼びに来てくれた。食堂に入ったら、1人分の食事が用意されているだけ。ほかの宿泊客は湯治客で自炊しているそうだ。ご飯は質・量ともに満足いくもので、岩魚の塩焼きとてんぷらは後で熱々のを持って来てくれた。温泉旅館の焼き魚とてんぷらは冷たいもの、よくて生ぬるいものと諦めていたので嬉しかった。女性にはちょっと量が多い気もした。朝ごはんは7時すぎ。やはり部屋まで呼びにきてくれた。とくに珍しいものがあるわけじゃないのだが、おいしく頂いた。チェックインのときに布団が敷いてあったから、チェックアウトまでそのままだろうと荷物を広げていたら、朝食中に布団を片付けてくれていたので、ちょっとあせった。

 駅まで送ってもらう途中、ご主人に話をうかがった。温泉が見つかったのは鉱山調査の際で1962年のこと。旅館を経営して20年になるそうだ。通年営業していて「冬でも駅から歩いてやってくる人がいるのだから、閉めるわけにはいかない」と言うところに湯治客への思いやりと温泉への自信を感じた。温泉の析出物はたまに削り落としていて、昨年は2、30人がかりで数時間かけて厚さ3センチほど削ったそうだ。

浴室唯一ともいえる設備はこの鏡と棚

 なお、昨年(2004年)は過去20年で初めてクマを見かけたそうなので、駅から歩いて行こうなんていう人はくれぐれも注意しましょう。ぜひまた泊まりで行きたい。1人泊は2食付税込みで7200円、2人以上なら1人同6900円。湯治なら1人泊2800円、2人泊2500円、3人以上2300円。自炊料金にはテレビ、ガス、水道、電気を含むが布団は1日700円。冬期暖房費は別は(2005年9月)

夜ご飯。1人鍋はけっこう大きめ 朝ごはん。シンプルながら美味

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